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監視と自己修復 ── RESILIENCE 2026-07-25 読了 約6分

第8章 監視と自己修復
── 落ちたとき、誰が最初に気づくか

この章について

仕組みは、作った日がいちばん健康です。問題は半年後。落ちたことに誰が最初に気づくのか。放っておくと、たいてい気づくのはお客様です。当社が自社のサイト群に毎日かけている監視と、自動で直す範囲を、実測値とともに書きます。

連載「AIとは何か、から『費用』まで」全9章第8章 / 全9章
  1. 01AIとは何か ── 例から規則を見つける道具
  2. 02生成AIとLLM ── 次にくる言葉を予測している
  3. 03RAG ── AIに、調べてから答えさせる
  4. 04エージェント ── 道具を使い、自分で動くAI
  5. 05マルチエージェントとオーケストレーション
  6. 06評価 ── 「動いた」と「合っている」は別
  7. 07人が決めること ── 自動化しない線
  8. 08監視と自己修復 ── 落ちたときに何が起きるか
  9. 09費用 ── AIの請求書は何で決まるか

01仕組みは、作った日がいちばん健康です

組んだ直後は、たいてい問題なく動きます。困るのは半年後です。連携先の仕様が変わり、資料が古くなり、決まった時刻の処理が静かに失敗しはじめます。

ここで肝心なのは、いちばん多い壊れ方が「静かに止まること」だという点です。派手にエラーが出る故障は、まだ幸せなほうです。何も言わずに止まった処理は、誰も気づきません。気づくのは、たいていお客様からのご連絡です。

02まず、外から触る

いちばん簡単で、いちばん効くのがこれです。中の状態を信じるのではなく、外から実際に開いてみる。当社は自社のサイト群に対して、約20分おきにこれをやっています。

直近30日の実測(2026-07-25 JST)

点検した回数 ── 12,846回
正常だった割合 ── 98.54%
応答が返るまでの平均 ── 517ミリ秒
正常でなかった応答 ── 187回

187回という数を隠さずに書いているのは、0回だと書ける監視には意味がないからです。何も見つけない見張りは、見張っていないのと区別がつきません。

03気づくまでの時間を、先に決める

「なるべく早く気づく」では運用できません。数字で決めます。当社は15分にしています。落ちたまま誰も知らない時間を、15分より長くしない。それが守れているかどうかも記録します。

この数字は業務によって変わります。1日1回でよいものもあります。決めておくことに意味があり、値そのものは伺ってから決めます。

04直せる型は、人を待たずに直す

見つけたあと、すぐ人を呼ぶ設計にはしていません。手順が決まっていて、間違えても戻せるものは、その場で自動的に直します。当社では毎時30分に、この修復が走ります。

自動で直している例

止まった定期処理を、もう一度実行する
切れた外部連携を、つなぎ直す
古くなったデータを、取り直す
作りかけで残った記録を、片づける

どれも、失敗しても元に戻せる作業です。第7章の基準がそのまま効いています。削除や送信は、この層には置きません。

05監視そのものを、監視する

ここが、実際に運用してみて分かったところです。見張りが黙ることがあります。

異常を知らせる仕組みが止まると、画面は静かなままです。異常がないのか、知らせる側が死んでいるのか、見た目では区別がつきません。しかも後者のほうが危ない。ですから当社は、毎時45分に番人を点検する別の仕組みを走らせています。最後に無事を知らせてきたのはいつか、を数えるだけの、単純な役です。

06直らなかったものだけ、人へ上がる

自動で直せなかったものは、障害として記録され、人の手元に上がります。ここで大事なのは、直せなかったという事実も必ず残ることです。

「自動で直しにいったが、直らなかった」を記録しない仕組みは、静かに問題を捨てます。落ちているより、落ちたことが消えるほうが厄介です。上がってくる件数を絞っているのは、上がってきたものに向き合う時間を残すためです。

07まとめ

実際に動いている台帳と、一日のどの時刻に何が走っているかは「制作するもの」のページに時刻ごと並べています。

この章を、さらに深く ── 3本

C-08-1 何を見張るか ── 生きているかだけでは、ずれに気づけません。
C-08-2 警報を読める数に減らす ── 鳴りっぱなしの警報は、鳴っていないのと同じです。
C-08-3 自分で直す仕組みの限界 ── 検知だけ足すと、溜まります。

ここに書いた監視と修復は、そのまま「制作するもの」の台帳と時刻表に対応しています。自動で直してよい範囲の決め方は第7章と同じ基準です。

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/NEXT

請求書は、
何で決まるのか。

最後は費用の話です。30日ぶんの内訳を、モデルごとにそのまま開きます。金額の8割を占めていたのは、全体の1.3%の呼び出しでした。

第9章 費用 を読む