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棚C まかせたあとを守る ── 第6章の深掘り 2026-07-26 読了 約4分

評価セットの作り方
正解つきの例は、百件あれば始められます

この記事について

物差しを決めても、比べる相手が無ければ測れません。要るのは正解つきの例です。「そんなものは用意できない」と言われることが多いのですが、たいていは思っているより少ない数で始められます。集め方には、順番と注意点があります。

第6章「評価」を深く読む 全3本C-06-2 / 全3本
  1. 入口評価 ── 「動いた」と「合っている」は別
  2. C-06-1何を測るかを先に決める ── 「良くなった」を数で
  3. C-06-2評価セットの作り方 ── 百件あれば始められます
  4. C-06-3AIに採点させる ── 使える場面と使えない場面

01評価は、例が無いと始まりません

「前より良くなった気がする」を「良くなりました」に変えるには、同じ問題を同じように解かせて比べるしかありません。そのための問題集が、評価セットです。

問題と、期待する答え。この二つが揃った例を並べたものです。難しく考えなくても、過去に人が処理した記録が、そのまま材料になることがよくあります。

ご相談を受けた仕事でも、たいていは台帳や過去の対応の記録が残っています。新しく作るのではなく、すでにあるものから百件を選ぶところから始めます。作る作業だと思うと重くなりますが、選ぶ作業だと思えば半日で終わります。

02集めるのは、うまくいった例ではありません

ここを取り違えると、意味の薄い問題集ができます。うまくいった例ばかり集めると、どの作り方でも満点になり、比べられません。

入れるべきなのは、迷った例、間違えた例、例外だった例です。人が判断に時間をかけた案件ほど、価値のある一問になります。

一問に入れておく四つ

1. 入力(実際に渡す形のまま。整えすぎません)
2. 期待する答え(一つに決まらない場合は、満たすべき条件)
3. なぜそれが正解なのか、一行の理由
4. どこから来た例か(出どころ。あとで確かめるため)

03調整に使った例は、測るほうに混ぜません

指示文を直すときに見た例で採点すると、点は上がります。その例に合わせて直したのですから、当然です。けれども、それは初めて見る問題に強くなったことを意味しません。

ですから、手元の例は最初に二つに分けます。直すときに見てよい分と、採点にだけ使って普段は開かない分です。開かない分は、月に一度だけ使います。

分けておく理由

同じ例で調整と採点をすると、その例だけに強い仕組みができます。機械学習では基本の作法として、データを分けて扱います。

分け方の考え方は Google の教材にまとまっています。Google「データセット: 元のデータセットの分割」↗

04百件から、始められます

数千件を用意しないと始められない、ということはありません。当社は百件を目安にしています。百件あれば、一割の改善は見えます。一件の違いが 1% ですから、数え間違いも起きません。

百件が難しければ、三十件でも比べられます。差が小さいときに判断できないだけで、大きく外している作りなら三十件で分かります。

むしろ、数を増やすほど正解を付ける手間が増えます。手間が増えると更新されなくなり、古い問題集で測り続けることになります。続けられる量に収めるほうが、結果として長く使えます。

05間違いが出るたびに、足していきます

評価セットは、一度作って終わりにしません。本番で間違いが見つかったら、その案件を一問にして足します。これを続けると、問題集が、その仕事の弱点の一覧になっていきます。

足すときに気をつけるのは、作り直さないことです。前の問題を消すと、以前との比較ができなくなります。積み上げる形にしておきます。

同じ型の問題ばかりが増えないようにも気をつけます。似た間違いを十件足しても、測れることは一件ぶんです。

06正解が一つに決まらない仕事は、条件で測ります

文面の下書きのように、正解が一つに決まらない仕事もあります。その場合は、答えそのものではなく、満たすべき条件を書いておきます。金額が入っていること、期日が入っていること、禁止した語が無いこと。

条件なら機械で確かめられます。中身がふさわしいかどうかだけを、人が見ます(C-06-3 AIに採点させる)。

07当社の場合

当社は、エラーの記録 3,521件 のうち 3,518件 を教訓の候補に変換しています。この教訓が、そのまま次の評価の問題になります。失敗の記録を捨てないことが、問題集を作る一番安い方法です。数え方は「AIの中身」に開いています。

08まとめ

問題集ができると、次は採点の手間が問題になります。採点そのものを自動にできるのか、を見ていきます。

第6章の枝 ── いま読んでいる位置
第6章 評価 C-06-1 何を測るかを先に決める C-06-2 評価セットの作り方(いまここ) C-06-3 AIに採点させる

章と記事の全体は図書館の見取り図で一枚にまとめています。

当社はエラー 3,521件 のうち 3,518件(99.9%)を教訓の候補に変換しています。失敗の記録が、そのまま次の評価の問題になります。数え方は「AIの中身」に開いています。

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採点も、
自動にできますか。

百件を毎回人が採点するのは大変です。AIに採点させる手と、その使いどころを次に。

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